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検査の種類と受け方
問診では、自覚症状、ストレスの原因、性格や病歴、家族のことなどが聞かれます。
心の病気の場合、初診時の問診での患者の表情、声、言葉づかい、態度などの特徴観察が心の状態を見極める重要な手がかりになることが多いので、医師はそれらに関しても、時間をかけて観察を行います。
これらの結果をもとに、どういった検査が必要か、ほかの診療科も受診すべきかなどを検討します。
病院によっては、医師の問診の前に、「予診(インテーク)」と呼ばれる、臨床心理士や精神科ソーシャルワーカー、研修医らによる面接が行われることもあります。
問診の次は、複数の検査を行います。
すべての検査を行う場合もあれば、1〜2種類だけの検査で診断できる場合もあります。
脳の検査
脳の器質的疾患の有無を調べます。
異常があれば脳神経外科や神経内科で治療を受けることになります。
画像検査のMRIやCT、脳波検査を行います。
脳以外の身体的検査
一般的な血液検査、血圧、脈拍、心音チェックなどで健康状態を調べます。
異常があれば原因を探ります。
神経学的な検査
神経系の異常がないかを調べます。異常があれば神経内科で治療を行います。
精神症状を評価する心理検査
知能テスト、性格診断テスト、心理テストなどを行います。絵や文を書いたり見たりすることも行います。それによって、心理状態や精神状態を評価します。
患者だけでなく、家族や周囲の人との面接が必要になる場合もあります。心の病気では、周囲との関係が非常に重要になります。
本人が病気であることを自覚していなくても、家族や周囲の人が「最近おかしい」と気がついて、発見されることも多いからです。
客観的な情報を集めて、的確な診断をするためにも、本人だけでなくも両親や友人、仕事の上司や同僚などから話を聞く必要があるのです。
また、心の病気の治療には、周囲の理解と協力が不可欠です。
家族や周囲の人が面接の場に参加することは、適切で、そして効果の高い治療を行うことにもつながるからです。
周囲の人が同席すると本人が話しにくいといぅ場合は、患者だけ、家族だけ、というように、別々の席で話を聞いてもらうことも可能です。
カテゴリー:病院・医師選びのコツ
様々な精神療法
すべての精神療法は、一般的に、薬物療法によりある程度症状が安定してから行われるのが基本です。
性急に行うとかえって症状が悪化するケースが少なくないので、必ず専門医の指導が必要です。
心の病気のタイプ、病相期、症状の特徴、患者の性別、年齢、生活環境などを考慮しながら、患者にもっとも適切と思われる治療法を選択していきます。
最近よく行われている精神療法が、認知行動療法です。これは療法の2つを組み合わせた、比較的新しい精神療法です。
心の病気の患者の多くには、考え方に共通する特徴があります。
なんでも白黒をつけようとする「二分割思考」、なにかひとつのことで世のなかがすべてそうだと考えてしまう「極端な一般化」、よい出来事も悪い出来事にすり替えてしまう「マイナス化思考」、自分の失敗を過大に考える「拡大解釈」、よくないことがあればそればかりを考えてしまうなどといった特徴です。
これらの間違った認識(認知のゆがみ)が心の病気の原因になっているととらえ、その考え方の誤りを修正することで、不安や抑うつ気分を和らげる治療法が認知療法です。
一方、行動療法は、心の病気の症状が人間の行動に関係すると考えて、不適応行動(好ましくない行動)を減らし、適応行動(好ましい行動)を増やすことで、症状の改善をはかります。
具体的に、不適応行動がどんな環境や状況で生まれたのかを確かめる「行動分析」を細かく行います。
たとえば、夫が料理を残したとき、「私の作る料理はいつもおいしくない」「夫は私のことを愛していない」というように結論づけたり、一度の失敗を「私はなにをやっても失敗する」ととらえるなどが「認知のゆがみ」です。
それを自覚するために、医師と患者の話し合いなどで原因を探し出していきます。
次いで、「なぜそう思ったか」「根拠はあるのか」「別の見方はできないのか」などを検討し、認知のゆがみを、現実的なものにしていくのです。
つまり、不適応行動を、適応行動に変えていくのです。
大うつ病性障害、双極性障害、全般性不安障害、解離性障害などの治療に用いられます。
暴露療法
行動療法の一種で、パニック障害や広場恐怖、強迫性障害、身体表現性障害などの治療に用いられます。
これまで避けていた状況にあえて接することで、少しずつ心身を慣らしていきます。
具体的な手順としては、まず患者に不安に感じる場所や状況を、不安の程度の強い順に書き出してもらいます。
これを「不安階層表」といいます。
その後、最も不安の少ない場所や状況からトライしていきます。
電車に乗るのが怖い人は、最初は駅まで行く、次はプラットホームまで行く、その次は各駅電車で一駅だけ乗る、これが克服できたらさらに乗車区間を延ばす、今度は急行電車に乗る、という具合です。
1人で行くのが怖いときは、家族や信頼できる人に付き漂ってもらうのもいいでしょう。
ただし、この暴露療法が治療の第一選択になることはありません。
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)などを用いた薬物療法で症状がかなり治まってから、専門家の指導のもと、行われます。
無理をするとかえって病状が悪化するので、医師と相談しながら少しずつステップアップしていくことが大事です。
家族療法
患者を含めた家族全体を対象に行う精神療法です。
心の病気の発症には、家族との関係が深く関わっているケースが少なくありません。
現在はそうでなくても、過去に家族の関係がスムーズにいっていなかったりすると、それらが長い時間が経った後も影響し、発症原因のひとつになることがあるのです。
それらの原因を探り、解きほぐすために、親子や夫婦、兄弟姉妹なども交えて精神療法を行います。
家族関係を見直すことで、患者の問題行動や症状の改善をはかるのです。特に、家庭内暴力や不登校、摂食障害、解離性障害などの治療に用いられます。
自律訓練法
自己暗示で、意識的に心身をリラックスさせる方法を身につけます。パニック発作や不安発作などに対して行われるこ・と」が多い方法です。
注意力、集中力、持続力などを増強する効果もあり、ストレス解消に非常に有効なので、心の病気でなくても、日ごろから実践するといいでしょう。
自律訓練法は、重感訓練、温感訓練、心臓調整訓練、呼吸調整訓練、内臓調整訓練、額部涼感訓練の6つの訓練から成り立っています。
治療としての場合は、専門医の指導のもとに6つの訓練を行いますが、重感訓練と温感訓練の2つだけでもストレス解消に十分に役立ちます。
自律訓練法を行うときはまず、リラックスした環境を作ります。部屋は静かで、明る過ぎず、暑くもなく寒くもないところが向いています。
空腹時や食後すぐは避けます。メガネ、ベルト、腕時計、からだを締め付ける下着などは、取っておくか、緩めておきます。
姿勢は、普通のイスに深く腰をかける「単純イス姿勢」、安楽イスに頭と背中をもたれさせて座る「安楽イス姿勢」、枕を肩に食い込まない程度に深く置いて仰向けに寝転がる「仰向け姿勢」の3つが基本です。
自分が一番リラックスできる姿勢を選びます。
具体的な手順は、こうです。
目を軽く閉じて気持ちを鎮めます。
気持ちがとても落ちついている、という言葉を心のなかで繰り返します。広い草原や青空を想像するのもいいでしょう。
そして重感訓練を行います。
「右手(左手)が重い」という言葉をゆっくりと、心のなかで繰り返します。
右手(左手)の力が抜けて重く感じたら、次は左手(右手)に移って同じように繰り返します。
力が抜けて重く感じたら、今度は「両手が重い」という言葉を繰り返します。
両手の次は、右足(左足)→左足(右足)→両足→両手両足という順で、自己暗示をかけて力を抜いていきます。
続いて温感訓練です。
重感訓練と同様に、片方の手から始まり両手、片方の足、両足、両手両足と、「温かい」という言葉を心の中で繰り返し、自己暗示をかけます。
最後に消去動作を行います。
両手をゆっくりと握りしめ、ゆっくりと開くを5〜6回。
次に両肘を曲げたりのばしたりお5〜6回。最後に大きく伸びをして、2〜3回深呼吸をして、静かに目を開けます。これらの自律訓練を、一回につき5〜10分。一日2〜3回行います。
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心の病気をみてくれる科
精神科・神経科・精神神経科・メンタルクリニック
大うつ病性障害(うつ病)や統合失調症、全般性不安障害など、心の病気を全般的に扱うのは精神科、神経科、精神神経科、メンタルクリニックです。
心の病気を疑ったら、これらの科を受診してください。
かつては、神経科は主に神経系の病気を扱い、精神神経科は心の病気と神経系の病気の両方を診察していましたが、今は厳密な区別をせず、基本的に精神科と同じです。
心療内科
本来は心身症の診察、治療を行うのを専門とする診療科です。
胃潰瘍やぜんそくなどの身体疾患があり、心身症が疑われるときはこちらを受診しましょう。
最近は、患者への印象をよくするために精神科医が心療内科と標模しているところもあるようですが、精神科や神経科を併記しているところもあります。
神経内科・脳神経外科
神経内科や脳神経外科は、大脳や脊髄、末梢神経などと関係する病気(脳内出血や脳梗塞、顔面マヒ、筋ジストロフィーなど)を内科的、外科的に診察します。
ふつうは心の病気は対象外ですが、心の病気とともに、手足の麻痺、ふるえ、けいれん、意識障害、言語障害などの神経系の症状があるときは精神科と同時受診をすすめられることがあります。
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心の病気と診断されたら
診察の結果を総合して、診断名と治療方針が提示されます。
目的、治療法、通院の頻度、入院の有無、治療期間などについて医師から説明があります。それを承諾したら、治療開始です。
心の病気の治療の柱は、薬物療法と精神療法です。
精神療法では、医師と患者のコミュニケーションを軸として心理面の問題点を解決します。
病状により、薬物療法にかなりの重点を置くもの、薬を使いながらいくつかの精神療法を組み合わせるもの、精神療法を主にして補助的に薬を用いるものなどに分かれます。
現代の精神医療の中心は薬物療法で、その割合は薬物療法8割、精神療法2割といわれています。
精神療法、薬物療法以外に、「電気けいれん療法」があります。
頭部に100ボルト前後の電圧を流し、けいれん発作を起こして精神的な症状を改善しょうというものです。
安全性の問題や副作用、残酷なイメージがあるという理由から一時期行わなくなっていましたが、安全性が高まり、治療効果も高いことから最近見直されてきています。
向精神薬で脳や神経そのものに働きかけ、心身のコントロールカを正常に戻し、症状の改善をはかります。
向精神薬は、抗精神病薬、抗不安薬、抗うつ薬、気分安定薬、抗てんかん薬、催眠鎮静薬、精神刺激薬などがあります。
近年注目されているのは、抗うつ薬の一種であるSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)です。
抗うつ薬ですが、効果をあらわす症状の幅が広く、大うつ病性障害 (うつ病) だけでなく強迫性障害、パニック障害、外傷後ストレス障害などにも使われています。
向精神薬のほかに、脳代謝賦活薬(脳代謝改善案)が用いられることもあります。
症状によって異なりますが、次の療法がよく行われます。
精神分析療法
フロイトによって考案されました。
患者は仰向けに寝て、頭に浮かぶことを医師に伝えていく「自由連想法」を1回につき45〜60分、週3回以上行います。
転換性障害、解離性障害などに有効で、統合失調症には禁忌です。
ただし現在は、このフロイトの精神分析療法を応用し、治療の頻度や時間を少なくした治療法がよく行われています。
1回につき30〜50分、過1回のペースで、ゆったりとしたイスに腰かけて行うのがふつうです。
一般的に前者を「標準型精神分析療法」といい、治療の頻度や時間を少なくした後者を「力動的精神療法」といいます。
認知療法
心の病気の原因を、患者本人の考え方のゆがみ・偏り(認知のゆがみ)にあると考え、そのゆがみ・偏りを是正します。
それによって不安や抑うつ気分を和らげるのです。最近は行動療法と組み合わせた「認知行動療法」が多く行われています。
行動療法
心の病気の症状を人間の行動に関係すると考えます。
好ましくない行動(不適応行動)を減らし、好ましい行動(適応行動)を増やして、症状の改善を行います。
「系統的脱感作法」は心の症状を引き起こした行動に段階的に慣れていくことで症状の改善をはかります。
行動療法の一種である「オペラント条件付け技法」などを行うこともあります。
その他の治療法
ほかに、患者が現実の社会に適応できるように具体的にアドバイスをし、サポートをする「支持的精神療法」、自己暗示をかけて心身をリラックスさせる方法を身につける「自律訓練法」、患者を含めた家族全員が治療に参加する「家族療法」、作業活動を通して意欲や集中力を高める「作業療法」などがあります。
家族も病気の正しい知識を持とう
心の病気の治療はほとんどの場合、長期戦になります。そのため、家族の温かい励ましと協力が不可欠です。
まず、病気に対する正しい知識を持つことが必要です。
気力で治せるものではないことを理解し、むやみに励ましたり、叱ったりすることはやめてださい。
気分転換にとも無者を旅行やショッピングなどに連れ出すことも、患者に気を遣わせ、心身の負担になるのでやめましょう。
患者の話にはゆっくり耳を傾けてください。
あれこれ質問したり、意味がわからないからと聞き流したり、間違いを指摘したりすることなどは逆効果です。
不規則な生活習慣はストレスへの抵抗力を弱めます。家族も患者とともに生活の見直しをしましょう。
そして規則正しい食生活、適度な運動、十分な睦眠時間の確保などを、患者と一緒に実践していくのです。
患者に気を遣いすぎたり、過剰に干渉したりするのも禁物です。家族もストレスをため込まず、回復を焦らず、根気よく治療に取り組みましょう。
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心の病気はどれくらいで治るか
心の病気の種類、病状の程度などによって、治るまでに要する期間は人それぞれです。
たとえば大うつ病性障害(うつ病)の場合、一般的には、つらい症状がいくらか楽になったと感じるまで2〜4週間、病気の症状がほぼなくなったという状態まで3〜6か月間かかります。
8割の患者は1年以内に治りますが、残りの2割は長引きます。
長引く理由はさまざまで、一概にはいえませんが、他の精神疾患を併発してしまったり、完治しないうちに無理をして再発してしまったりするケースが見られます。
できる限り早く治すために、いくつか重要なポイントがあります。まずは「医師との信頼関係」です。
治療が長引いている、あるいは再発を繰り返している患者のなかには、医師との信頼関係が築けていなかったために、治療や薬についての説明などを十分に求められずにいる人が少なくありません。
そして結果的に「副作用がつらいから薬の服用を勝手にやめた」「治ったと思ったから通院を途中でやめた」ということになり、早く治るチャンスを逃してしまうことになるのです。
医師選びと並んで重要なのが「治療環境」です。金銭面なども含めて、患者が妾心して休養できない環境にいる場合は、それを改善する必要があります。
女性の患者に多く見られるのが、家事や育児のために治療に専念できないケースです。
また、ワーキングウーマンの患者には、職場での立場が男性に比べてより不安定なために、心の病気を発症した後もハードワークを続ける人が目立ちます。
これらは治療を長引かせることになるので、周囲が協力して、患者が治療に安心して治療に取り組める環境を作らなければならないのです。
「家族のサポート」も非常に重要です。
家族が心の病気についての知識に乏しいために、症状を悪化させかねない対応を取り続けることがあります。
患者をむやみに叱咤激励したり、過保護に接したり、気分転換にと旅行や買い物などに連れ出すなどです。家族は患者のためになると思ってやっているのですが、逆効果です。
心の病気の多くは、患者を無気力でなにもやる気がしない状態にしてしまっています。
薬の服用や通院は、忘れてしまわないように、家族が気をつけてあげてください。
また、抗不安薬や催眠鎮静薬のように、最近、使用が問題視されている薬もあります。
そういった新しい情報に関して家族が率先して得るようにし、もし医師から処方があったときはなぜそれが必要なのかを聞くようにすることも、治療を円滑に進めることに関係してきます。
カテゴリー:病院・医師選びのコツ
病院・医師の選び方
病院選びは「行きやすさ」から始めることをおすすめします。心の病気の特徴のひとつに、気力の低下があります。
診察は2〜3回で終わることは少なく、たいてい長期にわたって通うことになるので、あまりに交通の便が悪い病院は、行くだけで疲れてしまいます。
自宅近く、通勤・通学の途中で寄りやすいところ、電車の乗換駅の近くなど、行きやすく、通いやすいところを選びましょう。
また、診療時間も確認しましょう。
仕事をぬけ出して行かなければならないよりも、退社してから行けると気が楽なこともあります。
テレビや雑誌によく取り上げられている、有名な病院が一番だと考える人もいます。
確かに病院選びの参考にはなりますが、必ずしも「有名=自分にとってベストの病院」とは限らないことを頭にとどめておきましょう。
また、インターネットで調べる方法もありますが、これらの方法も参考程度にとどめておくことが大切です。
特に匿名性の高いインターネットの情報は、理由や根拠がはっきりとしていないことが少なくありません。
今はさまざまな情報を入手しやすい時代です。それらをうまく活用し、振り回されないようにしてくたざい。
病院の規模や知名度よりも、自分に合うかどうかが重要です。
それぞれの病院の特性を理解して、そのうえで選んでください。
大学病院や総合病院は高度な医療機器がある、ほかの科と連携して診てもらえるなどのメリットがありますが、待ち時間が長い、担当医が変わることがあるといったデメリットがあります。
精神科病院は入院設備があるうえ、病状にあった治療プログラムをそろえているところが多いのが特徴です。
メンタルクリニックは交通の便のいい場所にあることが多く、仕事帰りに気軽に寄れるという利点があります。
ただし、入院施設がないため、入院する場合はほかの病院に紹介状を書いてもらうことになります。
病院がある程度決まれば、行く前に電話をしてみましょう。電話での対応がいいかどうかも、判断材料になります。
医師や看護師、臨床心理士(心理カウンセラー)、ソーシャルワーカーなどのスタッフが十分にそろっているかなどを確認するのもいいでしょう。
実際に病院に行ってからは、治療やリハビリテーションが社会復帰を目指した内容になっているか、説明が丁寧でスタッフの対応も親切か、などを確認します。
医師との信頼関係は、心の病気の治療で非常に重要です。
患者自身の治療意欲を高めながら、適切な治療方針を打ち出し、患者が不安にならないよう説明を十分にしてくれる医師なら信頼できます。
初診時には家族も同行して一緒に説明を聞くと、医師の人柄を知ることもでき、また病気に対する理解も深められます。
心の病気の治療に用いられる薬は副作用が強く出るものが少なくないので、副作用や、その薬の必要性について十分に説明をしてくれ、しかも患者の質問に対してきちんと答えてくれる医師かどうかをチェックすることも重要です。
説明もなしに薬を大量に出し続けて患者を薬漬けにする医師や、やたらと愛想がよくて患者のいうことをなんでも聞く「イエスマン」の医師は、避けたほうがいいでしょう。
特に、イエスマンの医師は、一見いい医師に思えますが、いい治療を受けるには、厳しい意見も必要です。
専門家の立場から、患者に迎合しない意見を述べる医師がいい医師なのです。
ほんの少し接しただけで一方的に医師との相性が悪いと決めつけ、病院を替わることはおすすめできませんが、もしどうしても信頼感が生まれないときは、転院もやむを得ません。
紹介状を書いてもらうと、それまでの経緯がわかって転院先での治療がスムーズにいきます。
頼みにくいときは、処方されていた薬だけでも転院先に持っていきましょう。
大切なのは、医師を信頼して根気よく治療に取り組むことです。
治療方針や薬などについて疑問に思うことは率直に聞いてください。自己判断は絶対にやめましょう。
また、生活環境、家族関係、生い立ち、病歴などもありのままに話すようにしてください。
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欝の治療:精神療法
薬物療法とともに、重要なのが精神療法です。
一般的に、薬物療法である程度症状を落ち着かせてから、精神療法を行っていきます。
精神療法では、認知療法、行動療法、対人関係療法がよく行われます。
認知療法は患者の「認知のゆがみ」を元に戻していこう、という方法です。
うつ病になるとどうしても物事を悪い方、悪い方に考えてしまいます。ちょっとした失敗も、取り返しがつかないと悩んだり後悔したりします。
そういった考え方、つまり「認知のゆがみ」を医師が患者とともに探り、修正していくのです。
行動療法は、実際の行動を通じて社会に適応していくことを学ぶ方法です。
元気が出る動作や行動を積極的に見つけ、気分が沈みそうなときに意識的にその行動を取るようにします。
認知療法と行動療法を組み合わせた認知行動療法も広く行われています。対人関係療法は、患者が抱える対人関係の問題点を医師と一緒に解決していきます。
以上の治療法以外では、電気けいれん療法があります。
薬物療法で効果が見られないときや、自殺が心配されるときに選択されます。
100〜120ボルトの交換電流を患者のひたいに数秒間流します。
かつてはけいれんによる骨折など安全性に問題があったのと、一時的な物忘れなどの副作用、残酷なイメージなどから、あまり行われなくなっていました。
しかし、即効性があること、自殺の恐れがあるときなど緊急の場合に効果的であることなどから最近見直されてきています。
筋弛緩薬を用いてけいれんを起こさないようにする方法もあります。
「うつ」の治りかけの時期こそリスクがある
もし家族や友人にうつ病患者がいるときは、症状が快方に向かってきても決して油断をしてはいけません。自殺の危険があります。
刃物やロープは身近に置かないようにし、農薬や睡眠薬など薬の管理を厳重にしてください。
酔って発作的に自殺する恐れのあるアルコールも遠ざけます。できるだけ1人にしないようにして、夜も一緒に寝るようにしましょう。
「遠くに行きたい」「逃げ出したい」などといい出したら危険信号です。
専門医に相談し、場合によっては入院も考えます。
うつ病の症状の特徴である「抑うつ気分」は、ほかの病気でも見られます。
たとえば「気分変調性障害」「統合失調症」「パニック障害」「強迫性障害」「外傷後ストレス障害」「適応障害」「脳梗塞などの脳血管障害」「パーキンソン病」「糖尿病」「肝臓病」などです。
その他「甲状腺機能低下症」「副腎皮質機能克進症」などもあります。
また、がんなど死に至る可能性の高い病気の告知を受けたことで精神的なショックを受け、抑うつ気分に陥ることもあります。
うつ病か、あるいはほかの病気から来るうつ状態かは、専門医で見分けてもらう必要があります。
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通院・入院の治療
治療に要する期間と同じく、通院か入院かについてもケースバイケースですが、基本的には通院しながら治療します。休職して治療に専念する場合でも同様です。
なぜなら、入院してしまうと、退院後、まず家庭生活を送り、その後に社会復帰とツーステップになってしまい、お金も時間もかかるからです。
その点、自宅療養だとワンステップで社会復帰できます。
ツーステップのデメリットに勝るメリットがある場合や、明らかに必要がある場合には入院が選択されます。
明らかに入院の適応となるのは、自殺の可能性が高い場合です。
また、自傷他害(自分を傷つけたり他人に危害を加えること)の恐れがある、興奮や被害妄想が激しい、躁状態による逸脱行為がひどそうな場合などです。
そのほか、自宅にいるとどうしても家事や育児に一生懸命になってしまいゆっくりと休養できない、患者が家で1人で過ごす時間が長い、仕事のことが気になって自宅で休養ができない、夫の親と同居で気を遣うなど、家庭生活を送ることで明らかに悪化していくときは、入院したほうがよい場合もあります。
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