-
ケータイに依存する少女たち
-
月経前症候群(PMS)
-
マタニティーブルーとは
-
女性ホルモンと心の病気の関係
-
女性はストレスに弱い?
-
女性の心の病気
-
月経前不快気分障害(PMDD)
-
女性の一番のストレス解消法が、うつ病治療に役立つ
-
産後うつ病
-
仕事のストレスからアルコール依存症に
-
産後うつと子育て
-
女性はなぜ心の病気にかかりやすいか
-
「PTSD」や「急性ストレス障害」について
-
心の病気にかかりやすい女性のタイプ
-
生理前の体調不良
-
女性の「うつ」
当サイトの更新情報をお届けします!フィードの購読はこちらから。
ケータイに依存する少女たち
石原慎太郎都知事が、解剖学者・養老孟司氏との対談のなかで、最近の若者の携帯電話依存についてこう感想を述べていました。
「なぜ電話のほうがいいのだろうか。
普通、人間というものは、顔を見て話をするものではなかったのか。
それが今では電話のほうが、一見無心に長話をしている」(「子供は脳からおかしくなった」(『文藝春秋』 2005年8月号)
それに対して養老氏は、
「(ケータイでのコミュニケーションはいまの若者の)弱い自我を守るための貴重な方法なのではないか」
と答え、
「(ケータイのほうが)ずっと居心地がいい、というのもわかるような気がするんです」
と理解を示そうとしています。
もし、養老氏の仮説が正しいとすると、それに対する反応はふたつに分かれると考えられます。
すなわち、養老氏のように、「わかる気もする」とケータイ依存を受容する方向で考えるか、
あるいは、「そもそも自我が弱体化しているのが問題なのだ」とあくまでケータイのコミュニケーションをよしとしない方向で対策を棟るか、いずれかでしょう。
実は、社会やおとなたちは、いま、このふたつの方向性の間で揺れ動いているのではないでしょうか。
「便利だし気楽だしもはやケータイなしには暮らせない。
生活やコミュニケーションにおけるケータイの比が高くなるのも当然だ」
という前提で、「どうつき合い、どう使うか」というメディアリテラシーの啓蒙に力を入れていくべきだ、という人もいます。
しかし、そういう人でさえ、わが身のこととなると、
「子どもが家でケータイばかりやりすぎているのが気になる。
昔の子どもは原っぱや路地で元気に遊んだものなのに」
と、ケータイに対して警戒心を抱いてしまうこともあります。
生まれたばかりの新しいテクノロジーに対して、社会の態度が一定しないのは、よく考えれば当然のことです。
同時に、それが人間を幸福にしてくれるのか、それとも幸福とは逆の方向に導くものなのかは、結果論でしか語れない場合も多いといえます。
大切なのは、「ケータイはすばらしい」
あるいは、「ケータイはけしからん」
と安易に判断を下すことなく、自分のなかにある、「ケータイをめぐるク揺れる気持ち」をきちんと自覚することだと思います。
「もっと使いたい」
「でも本当に大丈夫だろうか」
という迷いや葛藤のなかからしか、答えは見えてこないのですから…。
デジタルメディアにはふさわしくない曖味な結論ですが、私は、そう思うのです。
カテゴリー:女性特有の心のトラブル
月経前症候群(PMS)
月経前から月経時にかけて、不快な症状が出ます。
たとえば気持ちの落ち込みや不安感、イライラ、緊張感、気力、集中力の低下といった精神的な症状、下腹部の痛み、腰痛、頭痛、吐き気、嘔吐といった身体的な症状です。
しかし月経が始まれば、数日で不快症状が消えたり、軽くなったりします。PMSの人は実に多く、月経のある女性の20〜50%に見られるといわれています。
そのうち3〜5%は、精神症状がより重い「月経前不快気分障害(PMDD)」に該当するといわれています。
PMDDまでいくと、ひどいときには中等症程度の大うつ病性障害(うつ病)と同レベルの症状の重さになるので、精神科医療機関などでの治療が必要です。
精神症状と身体症状があります。
精神症状には、憂うつになる、イライラする、不安を感じる、怒りっぽい、落ち着かない、集中力がなくなる、眠くなる、あるいは眠れなくなる、などがあります。
また身体症状では、下腹部が張る・痛む、腰が痛む、乳房が張る・痛む、頭が痛む・重い、のぼせる、顔や手足がむくむ、体重が増える、肩凝り、下痢、便秘、吐き気、ニキビ、疲れやすい、などがあります。
ストレスに対する感受性が強い人ほど、PMSの症状をつらく感じる傾向があります。
完全主義、責任感が強い、融通が効かない、神経質なタイプの女性は、ストレスをうまく解消する方法を身につけることも大切です。
生活習慣の変化がきっかけになるケースも
ホルモン分泌のバランスの乱れがひとつの原因だと考えられていますが、ハッキリしたことはわかっていません。
就職や転職、転勤、引越しなど生活環境や対人関係の変化がきっかけで、症状が悪化する人が少なくありません。
PMSの症状があるときは、なにがきっかけで発症、あるいは症状が重くなったかを考え、その原因をできる限り取り除くことも、PMSを深刻にしないために有効です。
月経前症候群(PMS)の治療は?
薬の服用が治療の中心になります。SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)などが有効です。それに加えて強い痛みには鎮痛薬を用いることもあります。
漢方薬を用いた治療も行われています。たとえば当帰勺薬散や黄連解毒湯、加味逍遥酸などが効果的です。
現代医薬と併用するケースもあり、副作用が比較的少なく、成果を上げています。
ただし、漢方薬は体質に応じて効くものが異なるので、専門家のアドバイスのもとで服用してください。
家族は患者の言葉に耳を傾けることが大切です。叱咤激励は症状を悪化させる可能性がありますので避けてください。
「だれにでもあること」「気にし過ぎ」なども禁句です。
症状があまりにつらそうなときは、休養または通院をすすめるようにしてください。
PMSの症状は、子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣腫瘍などでも見られます。異常が見られたらまず婦人科を受診し、ほかの疾患の可能性がないかを調べます。
カテゴリー:女性特有の心のトラブル
マタニティーブルーとは
出産後2〜10日経ったころから陥る軽いうつ状態を「マタニティーブルー」といいます。
出産直後の女性の10〜50%(〜80%という説もあります)に見られます。
抑うつ気分、不安に襲われ緊張する、焦燥感、不眠、涙もろくなる、落ち着きがなくなる、ささいなことに対しても感情的になるなどの症状があります。
ほとんとか一過性で、たいてい発症後2週間以内に治ります。治療は必要としないケースが多いのですが、強い不安や不眠に対しては抗不安薬や催眠鎮静薬を服用することもあります。
産褥期うつ病へ進行
マタニティーブルーの大半は、治療をしなくても症状が消失します。しかし、一部は慢性化して、マタニティーブルーより重度の症状が見られる「産梅き期うつ病」へ移行します。
産樽期うつ病はマタニティーブルーの経験のない人にもあらわれることがあります。
この場合、出産後1〜8か月ごろに症状が出てくるケースが多く見られます。
産褥期うつ病は、大うつ病性障害(うつ病)で特に出産後に発症するものをいいます。
あくまでも一過性の「うつ状態」であって「うつ病」まではいかないマタニティーブルーと、その点が違います。
子育てに関する不安が強いのが特徴
症状は抑うつ気分、不安、焦燥感、意欲の低下、不眠、イライラ、自責の念を抱くなど、通常の大うつ病性障害と重複するものが多いのですが、子育てに関する不安がしばしば見られるのが産樽期うつ痛の特徴です。
たとえば「子どもをちゃんと育てられるだろうか」「母親としてやっていけるのだろうか」と悩みます。
育児書や他人と比べて、うまく子育てができていないと自責の念を抱くこともあります。
思い通りにならないことに感情を爆発させて子どもに暴力をふるい、その後で激しい後悔にかられたり、逆に子どもに無関心になったりするケースもあります。
自殺の可能性もあるので、周囲は注意が必要です。
出産後、落ち込んだ様子が長引いているようなら早めに精神科を受診することが大切です。治療は薬物療法が中心です。
抗うつ薬は母乳に影響が出るため、治療中は母乳での子育ては禁忌とされてきました。
しかし乳児への薬剤の移行が臨床上で問題になることはないという報告もあって、一定の見解はありません。
妊娠・出産は、からだに大きな負担がかかるとともに、これまでと全く違った環境の変化を迎えることになります。
子育てへの不安から、過剰なストレスを感じていて、うつ病発症のリスクを高める条件をいくつもそろえているのです。
さらに最近、問題が深刻化しているのは、核家族化が進み、地域でのつきあいが少なくなってきた結果、悩みや不安を周囲に相談できず、孤独のなかで子育てをしなければならないケースが増えていることです。
また、子育てに関する情報があふれかえっているため、それらに振り回されて、かえってストレスを蓄積していく人も少なくありません。
特に、完璧主義の人、真面目で責任感が強い人、なんでも話せる姉妹、友人が近くにいない人などは、ストレスを抱え込みやすく、うつ病を発症しやすい傾向にあります。
気がつかないうちにうつ病が悪化していた、という事態を避けるためにも、「1人で背負い込まない」ことが重要です。
特に専業主婦の場合は、育児や家事の責任が女惟だけにあるように思う傾向があります。
子育ては妻と夫の両方に同じだけの責任があることを双方が理解し、助け合って臨むことが、産後、心の病気に陥らないために必要です。
「完璧主義」も捨ててください。
育児や家事は完璧を目指しても、際限がありません。適度に手を抜くことも大切です。
家族や周囲の人は、子育てに関する不安や悩みにきちんと耳を傾けるようにしましょう。
相手を否定せず、また過剰な励ましもやめてください。特に夫は、積極的に子育てに参加するよう心がけましょう。
カテゴリー:女性特有の心のトラブル
女性ホルモンと心の病気の関係
毎月の月経だけでなく、女性は一生のうちに、妊娠、出産、更年期など、ホルモンの大きな変動を、何度も経験します。その都度、心は大きな節目を迎えます。
女性ホルモンの働きは、心の病気と密接な関係があります。月経の前後に症状が出たり悪化したりするのもそのためです。
女性ホルモンには、2種類あります。
ひとつは、子宮の内膜に受精卵が着床しやすい状態にし、かつ妊娠を継続させる働きをするプロゲステロン(黄体ホルモン)。
もうひとつは、女性らしい体型を作ったり、子宮の筋肉を発達させたりするエストロゲン(卵胞ホルモン)です。
このうちエストロゲンは、神経伝達物質のセロトニンにかかわり、心や感情の調節に一役かっています。
セロトニンの濃度が低下すると、不安や抑うつ状態といった、精神症状を引き起こすといわれています。
女性ホルモンが正常に働いている場合、月経開始後の2週間はエストロゲンが多く分泌され、排卵が生じると、その後2週間は、かわってプロゲステロンが優位に立ちます。
しかし、ホルモンの分泌を司どっている脳の視床下部の働きが、ストレスや過労により乱れると、ホルモンの分泌をうまくコントロールできなくなります。
このホルモン分泌の減退がストレッサーになって、心の病気を発症しやすくするのです。
エストロゲンは20代から30代に自署多く分泌され、40代に入ると急速に衰えることがわかっています。
そして、エストロゲン分泌の多いこの時期は、女性にとって、将来設計をかためる大切な時期と重なっています。
仕事はずっと続けるのか、結婚はするのか、子どもは作るのか。子どもを作るなら、出産のタイムリミットはいつなのか、などなど。
人生にとって、いちばん大切なこの時期が、女性が最も心の健康を損ないがちな時期なのです。
カテゴリー:女性特有の心のトラブル
女性はストレスに弱い?
「ストレス」とは、正確には 「ストレッサー(ストレスの素)」と、「ストレッサーによって引き起こされる生体の反応(ストレス反応)」の総称です。
ストレッサーには高温、多湿、寒冷などの「物理的ストレッサー」、アルコールや薬剤などの「化学的ストレッサー」、ウイルスや細菌などの「生物学的ストレッサー」、対人関係などの「心理社会的ストレッサー」があって、どれも心の病気の誘因になります。
そのうち、最も重要視しなければならないのは、「心理社会的ストレッサー」です。
ひとつひとつはほとんど気にならない程度のものであっても、積み重なると膨大なストレッサーになってしまいます。
そして女性は、これら心理社会的ストレッサーに比較的さらされやすい状況にあります。
なぜなら、女性の社会進出が増えたとはいえ、現代社会はまだまだ男性優位が多く見られるからです。
職場では仕事内容、待遇、昇進などで不公平や不満を感じることがたくさんあります。
また家庭では、家事や子育て、老親の介護問題などをどうしても女性が引き受けざるを得ないのが現状です。
結婚で姓が変わるのは圧倒的に女怪の側ですし、夫の転勤に伴い見知らぬ土地へ転居する、仕事を辞めなければならないなど、環境の大きな変化や、妥協または我慢が要求される場面が比較的、女性の方に多く見られます。
ただし、女性には、「ストレス反応が身体の症状として比較的早く出てくる」という特徴があります。
これには、女性ホルモンが関係しており、限界まで症状が出てこない男性と異なる点です。
ぎりぎりまで我慢してしまい、症状を訴えたときには、深刻な状態に陥っていることが多い男性に比べ、女性は、心のSOSをいち早くキャッチし、対策を講じることができます。
つまり、早めにケアできるという考え方もできるわけです。
カテゴリー:女性特有の心のトラブル
女性の心の病気
「女性が元気だ」といわれます。
たしかに、働く女性も、子育てする女性も、自分探しをしている女性もみんな生き生きと輝いてみえます。
結婚して、家に入り、子育てして…、という時代に比べ、人生の選択肢が大きく広がったことがいちばんの理由でしょう。
ただ、その分、これまでになかったストレスをためこむことにもつながっています。
男女雇用機会均等法が施行されたのは昭和61年ですが、いまだに「男性優位の社会」は存在します。
ワーキングウーマンで、女性であるがゆえのデメリットを感じたことのある人は少なからずいるでしょう。
また、制度がととのっていないために、妊娠・出産を機に退職を余儀なくされるケースもまだまだ見られます。
医学が発達した分、出産年齢はあがりましたが、「生み時」の見極めも必要です。
専業主婦にも、さまざまなストレスがかかります。
家族や親戚が近くにおらず、子育ての悩みを1人でかかえこんでしまうケースがめだちます。
近所づきあいや公園デビュー、PTAの集まりなどでは、つねに気づかいが必要ですし、夫が忙しいため、ほとんど母子家庭のような状態で子育てしている人もいます。
このように、現代の女性のおかれている環境は、心にとって健全とはいえません。
そもそも女性はホルモンの関係で心の病気にかかりやすい側面を持っています。
世の健康ブームとは裏腹に、心の病気を発症する女性が増えているのもうなずけます。
ここのところ特に女性患者が増えているのが、大うつ病性障害(うつ病)、パニック障害、アルコール依存症などです。
いずれも、きちんと治療すれば治る病気です。
ただし、こじらせてしまうと、それだけ治るのに時間がかかります。
とにかく、少しでも調子がおかしいと思ったら、受診することをおすすめします。
精神科に行くのは、はじめは勇気のいることかもしれません。
しかし、このストレス社会では、だれでも心の病気を発症する可能性を持っています。
心の病気にかかることは決してはずかしいことではないのです。
カテゴリー:女性特有の心のトラブル
月経前不快気分障害(PMDD)
月経前に起こる精神的・身体的不快症状です。「月経前症候群(PMS)の精神症状の重篤な場合に相当する」と考えられていて、「特定不能のうつ病性障害」に分類されています。
女性の「月経前不快気分障害(PMDD)」と「月経前症候群(PMS)」との混同が医療関係者の問でも見られますが、PMDDはうつ病のl種として診断基準(研究用基準案)が定められているのに対し、PMSは特にそのようなものはなく、月経前に出る症状全般を指した一般的な名称です。1994年に、アメリカで認知された、比較的新しい病気です。
精神面に出る症状と、身体面に出る症状があります。精神症状では、抑うつ気分、絶望感、不安、緊張、イライラ、情緒不安定(突然悲しくなったり涙ぐんだりする)、興味の減退などがあります。
激しい怒りが持続し、対人関係で摩擦が生じることも増えます。集中力は低下し、失敗などが多くなります。
身体的には倦怠感や疲労感、気力の激しい低下、過食、特定の食べ物が食べたくなる、過眠または不眠などがあります。
さらに乳房が痛くなる、頭痛、関節痛、筋肉痛、体重増加など身体的な変化もみられます。
月経が始まる1〜2週間前から不快な症状が出始め、月経が終わると完全に消えます。
一度症状が治まれば、次の「月経が始まる1〜2週間前」までは症状がまったくなく、通常の生活が送れます。
しかし症状が出始めると一変し、仕事や学校、または通常の社会的活動などを著しく妨げます。
もし、月経が終わった後も、なんらかの症状がわずかでも残っていれば、気分変調性障害など別の病気が疑われます。
症状がピークを迎えるときには、大うつ病性障害(うつ病)の中等症程度に匹敵する症状に悩まされることもあります。
カテゴリー:女性特有の心のトラブル
女性の一番のストレス解消法が、うつ病治療に役立つ
子どもの巣立ちを見送ったあとの主婦の多くは、程度の差はあれ、「心にポッカリとあいた穴」を「どのように埋めていくか」、あるいは「どのように生きがいづくりをするか」という問題に直面します。
人によって、心にあいた穴を埋めるものはそれぞれ異なりますが、人とのコミュニケーションは重要な要素のひとつです。
実際、女性に「あなたのストレス解消法は?」と尋ねたアンケート調査では、「友人とのおしゃべり」が上位にランクされることが多いようです。
ちなみに、昭和63年厚生省(現・厚生労働省)福祉動向調査では「おしゃべり・話を開いてもらう」と答えた人が全体の61.1%、
平成5年、第一製薬が実施した「現代女性の生活意識とストレス」では「気のあった人とのおしゃべり」と答えた人が全体の62.1%。
いずれも第2位を大きく離して1位に輝きました。
精神医学の観点からも人とのコミュニケーションは、孤立感を解消するだけでなく、ものごとに対するかたよった見方・考え方を変え、問題解決の糸口を発見することに役立つことが実証されています。
精神医学者であるアーロン・ペックは「うつ」や不安の背景には、ものごとに対する極端な考えがあることを明らかにしました。
そして、そのような「いきすぎた考え」を解消するには、
まず現実に目を向けて自分が考えていることが正しいのか、
それとも単なる思い込みなのかを確かめることが大切であると考え、それをうつ病の治療に応用しました。
それは、簡単にいってしまえば、
「今(何が)(どう)問題なのか、あるいは(何が)(どう)不安なのか」をあきらかにしながら行動し、自分なりの思い込みを現実にそって修正し、柔軟な考え方を身につける、というものです。
こうした方法は精神医学の治療現場で活用されていますが、私たちがふだんから行っている「第三者との対話」、つまり「私」と周囲の「誰か」との会話も、思い込みを解消して現実的な解決策を見つけていくのに役立ちます。
しかも、「第三者との対話」は、それだけで精神的な支えにもなります。
アメリカの精神科医であるデビッド・スピーゲルは、生死に関わる重大な問題に直面しているときにも、他人との「不安の分かち合い」が大きな力を発揮することを報告しています。
スピーゲルは、進行した乳がんを患っている女性たちを集め、彼女たちに孤独感や死に対する恐怖、夫に対する感情などを話し合ってもらいました。
当初、女性たちは「私だけが、ここで惨めに、死の恐怖にさらされている」という思いにさいなまれていたのですが、
同じ境遇の者同士が話し合い、不安を共有することで、心理的負担が軽くなりました。
また、このような対話に参加しなかった人たちにくらべ、ずっと長く生きることができました。
「うつ」 になると、「こんなことで悩んでいるのは私だけじゃないか」と思い込んでしまいがちです。
でも、ほんのちょっと勇気を出して悩みを打ち明けてみると、「なあ~んだ、案外みんな同じ悩みをもっているんだ」と、心が軽くなって、そこから「うつ」脱出の糸口を発見できることがあります。
しかし、「うつ」が強いときには、このようなコミュニケーションの威力をうまく使えなくなることがあります。
「うつ」になると、心細くなって、「私にこの問題が解決できるんだろうか」と不安な気持ちにおちいります。
このような気持ちを解消しようとするために、どうしても何かに頼りたくなってしまいます。
そのとき、人間関係に頼りすぎると、どうしても相手に対していろいろな要求をしてしまいがちになります。
その要求が満たされれば、なんの問題もないのですが、
当然のことながら、相手に突きつけた要求が100%受け入れられるということはそんなにありません。
元気なときには、そういうことがあっても相手と折り合いをつけながら、うまくつきあえるのですが、「うつ」のときは感情をコントロールできずに、「満たされない」ことにイライラしてしまったり、相手に不満の感情をぶつけたりしてしまうことがあります。
このようにして、人間関係がぎくしゃくしてきます。
しかも「うまくいかない」とあせればあせるほど、「なんとかしたい」という思いが強くなり、ますます相手に対する態度、関係のもち方が一方的になってしまいます。
その結果、相手の人も疲れて自分も疲れてしまう……という悪循環におちいってしまいます。
こうした悪循環を防ぐためには、相手に何を求めようとしているのかを、もう少し具体的に考えてみることが必要です。
カテゴリー:女性特有の心のトラブル
産後うつ病
女性ならではの心の病気に「産後うつ病」があります。
昔から「産後の肥立ちが悪い」という言葉がありますが、まさにそれです。
うつ病の増加が叫ばれていますが、産後うつ病も以前に比べて、明らかに増加傾向にあります。
症状や治療は、うつ病とまったく同じです。
出産を契機として発病する「うつ」と、たとえば引っ越しなどによって発病する「うつ」と、発症の経過として大差はありません。
ただ「産後うつ」の場合には、症状が非常に重くなることがそれほど多くはありませんが、認められます。
これは理由は明らかになってはいませんが、出産という大きな身体的な変化が病状に関与しているのではないかと推測されます。
また、出産を契機とした「産後うつ」は、第一子出産後に比較的多い印象がありますが、第二子、第三子のこともあるのです。
家族や友人が「産後うつ」の人に遭遇したなら、まずは彼女の不安に共感することが必要です。
「誰もが経験することだから」とか「もう少しがまんすれば変わるよ」などという慰めは逆効果です。
まずは彼女の苦しみを受け止めるようにしてあげてください。
「産後うつ」は比較的、重症化しやすく、重症化したときには自殺の危険が増ので、それが逼迫しているなら入院を考慮に入れるべきです。
また入院しなくてはいけないほど重症化していても、急速に改善することもまた多いので、悲観的になる必要もありません。
そもそもうつ病にかかる人の多くが、真面目で、凡帳面なところがあります。
病気になる前の性格は、うつ病の発病との関連性がないことが現時点では明らかになってはいますが、臨床的な私の印象としては、やはり生真面目な人がうつ病の人には多いと感じています。
産後うつ病の人もやはり生真面目な人が多く、子育てが満足にできないことに苦悩します。
子どもの将来を自分がダメにしてしまうと罪悪感を抱いてしまうのです。
罪悪感を強く感じているときは、多くは産後うつ病の可能性が高いと考えられます。
もし、家族や周囲の人が、子育てが思うようにできない、自分はダメ人間で子どもの将来を台無しにしてしまうと訴えていれば、それはまず間違いなく産後うつ痛だと考えられます。
このときにはぜひ受診するようにすすめてください。
カテゴリー:女性特有の心のトラブル
仕事のストレスからアルコール依存症に
キャリアアップを目指して働く女性が増えたことで、これまでは男性に多かった病気が女性にも見られるようになってきました。
特にめだつのはアルコール依存症です。
もちろん、これまでにも女性でアルコール依存症を発症する人は少なからずいましたが、その多くは専業主婦でした。
「キッチンドリンカー」と呼ばれ、家族が会社や学校に出かけた後に、家事をしながら酒を飲むことが習慣化してしまい、気がついたときにはアルコール依存症を発症しているというケースです。
しかし最近は、仕事を終えた後にバーや居酒屋に1人で寄り、前後不覚になるまで酒を飲む、あるいはスーパーやコンビニなどで酒を買って帰り、自宅で1人酔いつぶれるまで飲むといった、働く女性のアルコール依存症が増えているのです。
女性はホルモンの影響で体質的に男性よりも速く、しかも少量でアルコール依存症を発症するといわれています。
仕事でのストレスを晴らすため、という軽い気持ちで始めたお酒が、やがては止められなくなり、アルコール依存症を発症して社会生活に支障をきたすようになります。
また、若い女性の間で孤独や寂しさからアルコール依存症になる人が増えているともいわれています。
きず、やる気を失い、気分が落ち込みがちになります。そして次第にうつ病を発症していくのです。
重要な任務を成功させた後、急に目的を見失ってしまい大うつ病性障害(うつ病)を発症するケースも見られます。
これまでは男性の患者が圧倒的に多かったのですが、今では女性の患者も珍しくなくなってきました。
むしろ女性の方が、発症リスクが高いともいえます。
男性優位の社会では、女性というだけで仕事がスムースにいかないこともあります。
それを跳ね除けるだけでもストレスがたまるのに、さらに重要な任務を遂行するには、人並み以上の熱意と努力が必要でしょう。
それが終わり、ホッと一息ついたはいいものの、新たな目的をなかなか見出すことがで 社会不安障害は人と接することに恐怖感を抱く病気です。
ワーキングウーマンにも多い病気ですが、専業主婦の場合、見知らぬ人と接することがほとんどないと、たとえ発症していても日常生活にそれほどの影響を与えません。
発症に気がつかなかった、ということもよくあります。
しかし、不況で夫がリストラされたり、給料が下がったりして、妻が外で働きに出るケースが最近みられるようになりました。
社会と接するようになって、はじめて異常に気がつくことになるのです。
カテゴリー:女性特有の心のトラブル
産後うつと子育て
「産後うつ」の人の多くが「子育てが思うようにできない」と訴えます。
ここで問題となるのは、子どもへの虐待です。
自分の子どもがかわいく思えない、子どもが自分の思いどおりにならないとカッとなってしまう、自分でもいけないと思うのだけれども手を出したり、叱りすぎてしまう、などという訴えもあります。
この場合、事態はかなり深刻です。放置しておけば虐待がエスカレートする可能性が大きいのです。一刻も早くなんらかの手を打たなければなりません。
精神科、心療内科には、「子どもがかわいく思えない」「子育てができない」「子どもを過度に叱ってしまう」などの訴えで受診する人が大勢いるそうです。
自ら子どもを虐待していると話す人はほとんどいませんが、少なくとも医療機関を受診するということは、彼女たちはこの状況がよくない、この状況から抜け出したいと考えているのは事実です。
しかも彼女たちは、子育てができないことに対して罪悪感を抱いているのです。この場合は救いがあります。
罪悪感を抱き、現状を変えたいと本人が考えているならば、私たちは状況を変えていく手伝いができます。
したがって、もし家族や周囲の人が、子育てに悩んでいる、あるいは子どもがかわいく思えなくて苦悩していれば、そのときはまず話を聞いてあげてください。
「親なんだからやって当然」というような言い方はしないでください。彼女たちは苦悩しているのです。
彼女たちの「子どもをかわいく思えない」という気持ちは彼女たちのせいではありません。それは一種の心の病気であると考えてください。
そしてできれば医療機関の受診をすすめてあげてください。心理カウンセリングが有効です。
もちろんすぐに効果が出るわけではないのですが、必ず効果が現れます。また、ときには薬も有効なこともあります。
彼女たちの不安、焦燥を和らげることには役立つはずです。
幼少期の体験に根ざすことが多いのですが、すべての事例がそうとは限りません。
とりあえずは、彼女たちの罪悪感を共有することからはじめるのが妥当であると私は考えます。
また虐待していることを隠そうとしたり、罪悪感を感じていない人がまわりにいれば、そのときはまず話をじっくりと聞いてあげてください。
それでもダメなときは強硬手段として、子どもの安全を確保するために児童相談所か保健所へ通告しなければなりません。
カテゴリー:女性特有の心のトラブル
女性はなぜ心の病気にかかりやすいか
女性のライフスタイルはどんどん多様化しています。
厚生労働省の調べでは、女性の初婚年齢は、1964年には、24・5歳でしたが、2004年には、27・8歳まで上昇しています。
また、2000年の調査では、20代の非婚率は、54・0%。20代女性の2人に1人以上が独身であることがわかります。
また、結婚しても籍を入れない、子どもは作らない、仕事は続けるといった女性も少なくありません。
生涯独身をつらぬくことを選択する女性も増えています。
かつて「20代前半で結婚し、寿退社をして出産、子育て」が女性の幸せと信じられていた時代もありましたが、今では、無数の選択肢があるのです。
しかし一方で、「男性優位の社会」という揺らぎない現実があります。
キャリアアップを目指して努力し、それなりの成果を出していても、それが職場で正当に評価されないケースは少なからずあるでしょう。
妊娠、出産後も仕事を続けることを切望していても、サポートする制度が十分でなく、退職を余儀なくされる人もいます。
なんとか仕事と子育てを両立させても、「子どもが可愛そうだ」「いい子に育たない」などといわれることも多いでしょう。子育ては夫婦の共同作業であるにもかかわらず、です。
望んで専業主婦になった場合も、ストレスは膨大です。
近所との交流が希薄な時代のため、子育てに疑問や不満を感じても身近な相談者をなかなか得られません。
公園デビューから始まる母親の独特のコミュニティーがあり、そこでうまくやっていくにはかなりの努力が必要です。
また凶悪犯罪が多発しているなか、子どもを被害者、加害者のどちらにもしないよう目を光らさなければなりません。
ライフスタイルが多様化した分、かかえる悩みも多様化しているのです。
カテゴリー:女性特有の心のトラブル
「PTSD」や「急性ストレス障害」について
まわりは判断できるのか?
大震災やレイプなどの自分自身の生命を脅かされるほどの外傷体験によって、非常な精神的苦痛、悪夢、不眠、神経過敏、意欲低下などの症状が出現したとき、それが1か月以上続いていれば「PTSD(心的外傷後ストレス障害)」、1か月以内なら「急性ストレス障害」と診断します。
つまり周囲の人から見ても明らかな精神的外傷があって、それによって抑うつ、不安などの精神的症状、食欲不振、倦怠かん感などの身体症状が出ていれば、その人は「急性ストレス障害」あるいは「PTSD」の可能性があります。
このときにもっとも注意しなければならないのは、安易な気休めは逆効果になることがあるということです。
「時間がたてば忘れる」「前向きに生きていけばよいこともきっとある」などと、気安くいうべきではないということです。
彼らはそうできないからこそ重篤な状態に陥っているのです。とにかくあなたにできることは、彼らの話に耳を傾けることです。
そして大切なことは、彼らがそのことについて自分から話しはじめるまでは、そのことを尋ねないことです。それを話すとかなり辛くなります。
彼らの心の準備ができるまでは、尋ねないことが重要なのです。
そして彼らが「死にたい」と漏らすときは、迷わず受診をすすめるべきだと思います。
カテゴリー:女性特有の心のトラブル
心の病気にかかりやすい女性のタイプ
凡帳面、真面目、責任感が強い、周囲への気遣いに長けている、完壁主義、努力家など、一般的にいい性格といわれる女性が心の病気にかかりやすいといわれています。
専業主婦の場合、子どもが自分の理想通りに育たない、いくら家事を完璧にしていてもだれからも評価されない、ということが続くと、不満や苛立ち、むなしさが生じます。
また、結婚・出産前にやりがいや誇りを持って仕事をしていた人は、社会から取り残されたような不安感や焦燥感を抱くようになります。
これらの感情が蓄積されると、心の病 ワーキングウーマンの場合、がんばり過ぎるタイプにリスクが高くなっています。
職場では人一倍仕事をこなし、周囲の期待が高まるほどそれに応えるためにがむしゃらにがんばります。
また、結婚している人は、家庭に帰れば家事や子育ても完璧にこなそうとします。
職場でも家でも気を抜くことなく、100%以上の活動をしていれば、心身ともに疲労がたまり、それがストレスとなって心の病気を発症しやすくするのです。
初めは精神科の門をくぐるのは勇気のいることかもしれません。
しかし、きちんとした治療を受ければ、ほとんどの心の病気はよくなります0受診が遅れてこじらせることのないよう、事前に情報を得ておきましょう。
カテゴリー:女性特有の心のトラブル
生理前の体調不良
月経前症候群(PMS)と呼ばれる疾患があります。この症候群は成人女性の約10%にみられます。
多くの場合は、生理の3日から10日前に、イライラ、下腹部の膨満感、下腹部痛、腰痛、頭重感などを訴えます。
このような症状を訴える人が身近にいれば、家族や周囲の人はまず婦人科の受診をすすめるべきです。月経前症候群はかなりよくみられる病気なので、婦人科医は対応を心得ているはずです。
そして婦人科を受診していても、気分の落ち込みや焦燥感が持続するなら心療内科をすすめてみてもよいかもしれません。
とにかく生理前に体調、気分がすぐれないという月経前症候群は多い病気であり、治療可能なものであるということを伝えることが大切です。
ただし、あまり神経質になることもありません。
女性ならば生理周期に関連した気分変動は誰もが経験していることだと思います。
けれどもそれが2週間以上も継続し、日常生活・社会生活に支障を来すようになれば、それは治療すべきものであると考えるべきです。
そのときは婦人科か心療内科の受診をすすめてください。
カテゴリー:女性特有の心のトラブル
女性の「うつ」
「うつ」全体が近年、急増していますが、女性の「うつ」も増えています。
とくに働く女性の「うつ」は20年前と比べるとたしかに増えています。
働く女性の「うつ」の特徴的な点としては、すべての女性がもちろんそうだというわけではありませんが、「うつ」発症の契機となる体験として、仕事の内容もさることながら、職場内での人間関係のストレスによって発症することが多いような印象があります。
さらにいえば、最近、若い女性で派遣社員として働いている人の中に、派遣先の社員との人間関係で悩むというパターンがしばしばみられ、ひと昔前とは仕事の悩みの中身が異なってきているという感じがします。
臨床症状としては働いている男性であれ女性であれ「うつ」によってひき起こされる症状に大差はありません。
精神症状としては、憂鬱、抑うつ、悲観的、不安、イライラ、取り越し苦労、自責感、思考力減退、意欲低下、無気力、億劫、判断力・決断力の低下、集中できない、後悔、興味・関心の低下、などが出現します。
なかでも、働く女性の 「うつ」の症状として、とくに発症の初期段階で頭痛、めまい、首・肩の凝り、喉の違和感、動博などの身体症状が出現することが多いようです。
もちろんこれらの身体症状は男性にも出現しますが、発症の初期、あるいは準備段階としての症状出現様式として、働く女性の「うつ」のほうが働く男性の「うつ」よりも多い印象があります。
この理由はよくわかっていないのですが、たとえば、もともと働いている女性の多くはこのような身体症状が気にはならない程度に持っていて、それがストレスによって増強することによるものではないかとも考えられます。
家族や友人がもし職場で働く女性の「うつ」に遭遇した場合、そして彼女を取り巻く状況が彼女にとって辛いものであったなら、まず話をゆっくりと聞いてあげることが大切です。
そして彼女の辛い状況に理解を示すことが必要です。いたずらにこちらの価値観を押し付けてはいけません。
価値観の押し付けは彼女の精神状態を悪化させます。身体症状にも注意を払わなければいけません。身体症状は体の不具合ですが、それは心の叫びであるのかもしれないのです。
彼女を取り巻く状況がよくないものであって、そのうえで身体症状が出現しているなら、それは「うつ」のはじまりであるのかもしれません。
そして彼女がほんとうに辛いと感じていることがわかれば、メンタルクリニックへいくのもひとつの方法だとすすめてください。
カテゴリー:女性特有の心のトラブル

