摂食障害
食べ物を受け付けなくなる拒食症(神経性無食欲症)、食事量が異常に増える過食症(神経性大食症)をあわせて摂食障害といいます。
拒食と過食は一見正反対の行動にみえますが、どちらも強烈なやせ願望のあらわれです。
若い女性に起こりやすく、特に小学校高学年から高校生に多く見られます。
ダイエットブームから急増する傾向にありますが、特に拒食症は、重くなると死に至るケースもあるので注意が必要です。
拒食症の経過中に過食発作が起こり、拒食と過食を繰り返すケースが一般的です。最近は拒食傾向がなく、過食のみを繰り返す人が非常に増えています。
拒食症
太ることを嫌がり、体重の増加を極端に恐れて、ほとんど食べません。たえず体重を気にして、太ももやからだの部分にこだわります。
極端な減食やカロリー制限から栄養失調になり、貧血や無月経、低体温、内臓障害などを起こしますが、本人は太っているといい張り、さらにやせようとします。
行動はきわめて活発で、少しもじっとしていない状態になることもあります。
過食症
発作的に、異常に食事量が増えます。短時間に大量の食べ物を胃のなかへ流し込むように入れ、特に甘いものを食べようとします。
暴食の直後、絶食や激しい運動をしたり、食べたものを吐き出そうと指を口に突っ込んだり、下剤や利尿剤で体重を減らそうとすることもしばしばあります。
激しい自責の念にかられ、うつ状態になるケースもあります。ダイエットがきっかけで発症することがほとんどです。過度の食事制限から拒食症になります。
そして過剰な食事制限に耐え切れなくなって発作的に過食になり、拒食と過食を繰り返します。
しかし最近は、はっきりとした拒食の経歴がなく、暴食から過食症に発展するケースが増えています。
感情のコントロールができないのが原因で、不安や孤独感、憂うつな気分を過食で晴らそうというのです。
セロトニンやノルアドレナリン、エンドルフィンなどの脳内物質が関係しているという指摘もあります。
また、思春期には、大人になることへの不安、性への恐れ、支配的な母親に対する反発、周囲からの孤独感、対人関係のストレスなど、心の葛藤が拒食症となってあらわれるケースがよくみられます。
摂食障害の治療
拒食症は悪化すると、命に関わります。すぐに入院させ、点滴による栄養補給が必要です。
自分の体型や体重に対して誤った認識があるので、その認識のゆがみを是正するための認知行動療法も行います。
支持的精神療法、家族療法なども行われ、青春期の問題の解決をはかり、原因を除いて食行動の正常化をめざします。過食は感情の起伏が激しいことから起こるので、ストレスと人格的な問題に焦点があてられ、精神療法が行われます。
拒食症の場合はやせ衰えているにもかかわらず活発に動き回り、本人は病気だと思っていないことがほとんどです。
そのため治療意欲に欠けることが多く、家族の理解と協力が最も大事になります。
拒食、過食そのものよりも、本人の心理状態や感情に十分配慮してください。
また、拒食症は死亡の危険もある病気だということを、患者に理解させ、治療意識を高めるようにしましょう。
拒食症の人に対して食事を強制する、また過食症の人に対して食べ物を隠す、といった行為は逆効果になる恐れがあるので、やめてください。
拒食、過食どちらも自殺の可能性があるので注意が必要です。
拒食症の場合は栄養失調を起こし、放っておけば死に至ります。
また、過食症は大うつ病性障害(うつ病)を併発するケースも少なくありません。
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