月経前症候群(PMS)
月経前から月経時にかけて、不快な症状が出ます。
たとえば気持ちの落ち込みや不安感、イライラ、緊張感、気力、集中力の低下といった精神的な症状、下腹部の痛み、腰痛、頭痛、吐き気、嘔吐といった身体的な症状です。
しかし月経が始まれば、数日で不快症状が消えたり、軽くなったりします。PMSの人は実に多く、月経のある女性の20〜50%に見られるといわれています。
そのうち3〜5%は、精神症状がより重い「月経前不快気分障害(PMDD)」に該当するといわれています。
PMDDまでいくと、ひどいときには中等症程度の大うつ病性障害(うつ病)と同レベルの症状の重さになるので、精神科医療機関などでの治療が必要です。
精神症状と身体症状があります。
精神症状には、憂うつになる、イライラする、不安を感じる、怒りっぽい、落ち着かない、集中力がなくなる、眠くなる、あるいは眠れなくなる、などがあります。
また身体症状では、下腹部が張る・痛む、腰が痛む、乳房が張る・痛む、頭が痛む・重い、のぼせる、顔や手足がむくむ、体重が増える、肩凝り、下痢、便秘、吐き気、ニキビ、疲れやすい、などがあります。
ストレスに対する感受性が強い人ほど、PMSの症状をつらく感じる傾向があります。
完全主義、責任感が強い、融通が効かない、神経質なタイプの女性は、ストレスをうまく解消する方法を身につけることも大切です。
生活習慣の変化がきっかけになるケースも
ホルモン分泌のバランスの乱れがひとつの原因だと考えられていますが、ハッキリしたことはわかっていません。
就職や転職、転勤、引越しなど生活環境や対人関係の変化がきっかけで、症状が悪化する人が少なくありません。
PMSの症状があるときは、なにがきっかけで発症、あるいは症状が重くなったかを考え、その原因をできる限り取り除くことも、PMSを深刻にしないために有効です。
月経前症候群(PMS)の治療は?
薬の服用が治療の中心になります。SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)などが有効です。それに加えて強い痛みには鎮痛薬を用いることもあります。
漢方薬を用いた治療も行われています。たとえば当帰勺薬散や黄連解毒湯、加味逍遥酸などが効果的です。
現代医薬と併用するケースもあり、副作用が比較的少なく、成果を上げています。
ただし、漢方薬は体質に応じて効くものが異なるので、専門家のアドバイスのもとで服用してください。
家族は患者の言葉に耳を傾けることが大切です。叱咤激励は症状を悪化させる可能性がありますので避けてください。
「だれにでもあること」「気にし過ぎ」なども禁句です。
症状があまりにつらそうなときは、休養または通院をすすめるようにしてください。
PMSの症状は、子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣腫瘍などでも見られます。異常が見られたらまず婦人科を受診し、ほかの疾患の可能性がないかを調べます。
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