マタニティーブルーとは
出産後2〜10日経ったころから陥る軽いうつ状態を「マタニティーブルー」といいます。
出産直後の女性の10〜50%(〜80%という説もあります)に見られます。
抑うつ気分、不安に襲われ緊張する、焦燥感、不眠、涙もろくなる、落ち着きがなくなる、ささいなことに対しても感情的になるなどの症状があります。
ほとんとか一過性で、たいてい発症後2週間以内に治ります。治療は必要としないケースが多いのですが、強い不安や不眠に対しては抗不安薬や催眠鎮静薬を服用することもあります。
産褥期うつ病へ進行
マタニティーブルーの大半は、治療をしなくても症状が消失します。しかし、一部は慢性化して、マタニティーブルーより重度の症状が見られる「産梅き期うつ病」へ移行します。
産樽期うつ病はマタニティーブルーの経験のない人にもあらわれることがあります。
この場合、出産後1〜8か月ごろに症状が出てくるケースが多く見られます。
産褥期うつ病は、大うつ病性障害(うつ病)で特に出産後に発症するものをいいます。
あくまでも一過性の「うつ状態」であって「うつ病」まではいかないマタニティーブルーと、その点が違います。
子育てに関する不安が強いのが特徴
症状は抑うつ気分、不安、焦燥感、意欲の低下、不眠、イライラ、自責の念を抱くなど、通常の大うつ病性障害と重複するものが多いのですが、子育てに関する不安がしばしば見られるのが産樽期うつ痛の特徴です。
たとえば「子どもをちゃんと育てられるだろうか」「母親としてやっていけるのだろうか」と悩みます。
育児書や他人と比べて、うまく子育てができていないと自責の念を抱くこともあります。
思い通りにならないことに感情を爆発させて子どもに暴力をふるい、その後で激しい後悔にかられたり、逆に子どもに無関心になったりするケースもあります。
自殺の可能性もあるので、周囲は注意が必要です。
出産後、落ち込んだ様子が長引いているようなら早めに精神科を受診することが大切です。治療は薬物療法が中心です。
抗うつ薬は母乳に影響が出るため、治療中は母乳での子育ては禁忌とされてきました。
しかし乳児への薬剤の移行が臨床上で問題になることはないという報告もあって、一定の見解はありません。
妊娠・出産は、からだに大きな負担がかかるとともに、これまでと全く違った環境の変化を迎えることになります。
子育てへの不安から、過剰なストレスを感じていて、うつ病発症のリスクを高める条件をいくつもそろえているのです。
さらに最近、問題が深刻化しているのは、核家族化が進み、地域でのつきあいが少なくなってきた結果、悩みや不安を周囲に相談できず、孤独のなかで子育てをしなければならないケースが増えていることです。
また、子育てに関する情報があふれかえっているため、それらに振り回されて、かえってストレスを蓄積していく人も少なくありません。
特に、完璧主義の人、真面目で責任感が強い人、なんでも話せる姉妹、友人が近くにいない人などは、ストレスを抱え込みやすく、うつ病を発症しやすい傾向にあります。
気がつかないうちにうつ病が悪化していた、という事態を避けるためにも、「1人で背負い込まない」ことが重要です。
特に専業主婦の場合は、育児や家事の責任が女惟だけにあるように思う傾向があります。
子育ては妻と夫の両方に同じだけの責任があることを双方が理解し、助け合って臨むことが、産後、心の病気に陥らないために必要です。
「完璧主義」も捨ててください。
育児や家事は完璧を目指しても、際限がありません。適度に手を抜くことも大切です。
家族や周囲の人は、子育てに関する不安や悩みにきちんと耳を傾けるようにしましょう。
相手を否定せず、また過剰な励ましもやめてください。特に夫は、積極的に子育てに参加するよう心がけましょう。
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