「うつ」が改善してきたら
「うつ」が改善し、通常の日常生活に戻っていくときは注意が必要です。
これまで述べてきたように「うつ」は再発の多い病気です。しかも状態が改善してから早期に再発しやすいのです。
とくに職場への復帰は慎重を期さねばなりません。
多くの「うつ」の人は職場でのストレスをきっかけに発病しています。
したがって同じ職場、同じ人間関係のところへ復帰するのは当然、高いリスクを伴います。
職場復帰の際に、「うつ」の人は元来、生真面目な人が多いのか、あるいは自分のポジションがなくなることを過度に恐れてか、復帰を急ぐ傾向にあるような気がします。
「うつ」の状態が改善し、復帰を考慮しているときに、よく「うつ」の人は「だいぶ状態はよくなったと思います。
そろそろ職場に戻りたいと思うのですが、仕事のことを考えると不安になったり、動悸がしたりするんですよ」と話します。
このようなときに復職するのは得策ではありません。
たしかに無理をすれば職場復帰は可能です。しかし、長続きはしません。
また職場に起因した「うつ」だけでなく、家庭環境、周囲の環境に由来する「うつ」でも当然、回復したあとの環境調整は重要です。
「うつ」の人の回復期にはあまり本人にストレスのかからない環境を整えることは再発を防ぐためには大切なことです。
さらに「うつ」が改善すると、家族は、とくに主婦の場合は以前と変わらない仕事量を期待されがちです。
しかし、病み上がりであることや、無理させてはいけないことを家族も理解してあげることが必要です。
「うつ」は骨折や胃潰瘍などと違って、これで完全に治ったという線引きがむずかしいし、目に見えないので、長引くと家族は、どうしても「怠けているんじゃないのか」と考えがちです。
よく「うつ」の人から間接的に、そして家族から直接こうした話を聞きます。
さらに「いつまで薬を飲んでいるんだ」「いつまで病院に通っているんだ」「甘えているだけじゃないのか」ともいわれます。
けれどもこれは的外れな考えです。
少し考えてもみてください。誰が好き好んで精神科、心療内科などへ通いますか。
それに精神の薬を飲み続けるようなことができますか。それほどの事態がまだ続いているのです。それほどの苦しみなのです。それを理解してあげてください。
主治医には、家族が「うつ」を誤解していたら、それをきちんと説明してほしいと願います。
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