人格障害
リストカットなどを行った場合にもっとも危慎されるのは人格障害があるかどうか、その中でも「境界性人格障害」があるかどうかということです。
人格障害を厳密に定義することは困難なのですが、ひと言でいえば「ふつうに生きられない人」といえると思います。
では、ふつうに生きるとはどういうことかと問われると、それ自体明確に定義することが困難ですから、「ふつうに生きられない」という定義自体あいまいであるという誘りはまぬがれないかもしれません。
けれども人格障害そのものの存立自体が、一般の人との境界が不鮮明なものなのです。
それを考えれば、この定義も自ずと不明確なものにならざるを得ず、その意味では 「ふつうに生きられない」という定義はそれなりに当を得たものと私は考えています。
境界性人格障害については、この後で詳しく述べますが、ひと言でいえば感情の起伏が激しく、対人関係がきわめて不安定で、見捨てられることに強い不安を持っているといった特徴があります。
自己破壊的な衝動によって、万引きをしたり薬物を乱用したり性的逸脱をしたり、またリストカットなどの自傷行為を含めて、自殺のそぶりなどをみせます。
思春期ごろからはじまり、どちらかというと女性に多くみられる病気で、周囲は彼らの予測できない衝動的な行動や言動に翻弄されます。
人格障害は治療が困難で、中年期まで病理が存続することが多いのですが、本人が「ふつうに生きられない」ことを自覚し、なんとかしようと考えるならば、治療する価値はあります。
その場合は受診をすすめればよいし、家族や周囲の人は、彼または彼女に翻弄されることのないように専門家に相談することが大切です。
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