うつ病を再発しない為に
子どものうつ病の発症率は予想以上に高いということが明らかになってきました。
欧米の予後調査では、その半数以上は青年あるいは大人になって再発したり、他のさまざまな障害を合併したり、対人関係や社会生活における障害が持ち越されてしまう場合も少なくないことが報告されるようになりました。
ただし、子どものうつ病それ自体は、大人のうつ病と比べて回復しやすい病態と考えられます。
したがって今後の課題は、子どものうつ病をいかに再発させないか、つまりうつ病の予防ということが重要であると考えられます。
そこで、子どものうつ病予防のポイントを説明しましょう。
薬物療法を必要十分量、十分期間行う
うつ病再発の最も重要な因子として、早すぎる抗うつ薬の減量・中止が指摘されています。これまでの報告をまとめると、うつ病の再発はうつ症状消失後一〜六カ月の間に最も多いと言われており、抗うつ薬の減量・中止がきっかけになることが少なくありません。
したがって、うつ症状消失後も最低六カ月間は用量を減量することなく服用することが推奨されています。
ただし、うつの状態が改善してくると、同じ量を服用していると眠気が強まったりすることがあります。
その場合は主治医と相談して減量していくことになります。
再発の初期症状を早めに察知する
再発時の症状は、初回の病相の症状と同様のパターンをとることが少なくありません。
初回の病相が不眠から始まった人は、再発においても不眠から始まることが多く、食欲不振から始まった人は、食欲不振から再発することが多いのです。
したがって、初回の状態をよく思い出し、どのような症状から、どのようなパターンで始まり、どのような経過をたどっていったかを認識し、同様な症状が再び出現したら、すぐに主治医と相談することが重要です。
本人は気がつかなくても、家族や周囲の人たちが指摘してあげる必要があります。
ストレスや身体の叫びに気づく
今、自分にはストレスがたまっているのか、何がストレスになっているのかに気づくことが自分を管理する重要なポイントです。
うつになりやすい人は、真面目で責任感が強く、無理をして自分の限界以上に頑張ってしまう傾向があります。
その反面、自分にストレスがたまっていることや何がストレスになっているかについては無自覚で、失礼かもしれませんが、自らをいたわる面が少し欠けていると言えるかもしれません。
身体の訴えるかすかな叫びを敏感にキャッチし、ほんの少しずつたまっていくわずかなストレスを察知していく必要があります。
うつは身体の症状で出現することが多いので、疲れ具合はどうか、ぐっすり眠れているか、おいしく食べることができているかについて家族がチェックする習慣をつけましょう。
対人関係を大事にする
うつ病の誘因として最も多いものは、対人関係のストレスです。
とりわけ友達、家族、同級生、恋人、教師などの「重要な他者」との関係が発症に大きく関わっていることが少なくありません。
悩みがあったり、問題が生じたら、ひとりで背負い込まないで、家族や友人に相談してみましょう。
人に弱みを見せてはいけないと考えず、人に頼ることも大事であることを覚えましょう。
実は、周囲はそれを待っていることが少なくありません。自分の感情を抑え込みすぎると、ストレスの原因になります。
自分の本当の気持ちを身近な人に率直に表現することは重要です。自分が本音を伝えることができると、相手も本音で心を開いてくるようになるものです。
直接本音を伝えることができない場合は、Eメールや手紙を用いて自分の意見を伝える工夫も必要です。「愚痴を言い合える友達」を作ることは、精神衛生上きわめて重要なポイントになります。
環境の変化には注意が必要
うつは進学、進級、転校、引っ越し、親の離婚、死別などの環境の変化がきっかけになって発症することが少なくありません。
それが喜ばしいできごとであれ、不幸なできごとであれ、慣れ親しんだ環境が変わることは、引き金になることが多いのです。
進学、進級、転校、引っ越しなどの予測できるものに対しては、心の準備を十分に行い、とくに無理をしないように注意する必要があります。
過去にうつになった経験のある人は、発症時の生活を振り返り、そのときと同じ状況になっていないか、チェックする必要があります。
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