登校しなくなった生徒になにをすべきか
この10年で、教師のメンタルヘルスはかなり低下したと私は感じています。
業務量の多さ、生徒の親との乳轢、学級崩壊、教師の聖職者としての地位の低下など、教師を取り巻く環境は悪化しているのではないかと危慎されます。
そのような環境の中で教師は対応に苦慮する生徒に対して、あるいはその親に対してなにをすべきか、なにをしてはいけないのかをここでは示したいと思います。
不登校の生徒にどのように対応したらよいのかという質問の正解は存在しません。
ですので教師がどのように対応すべきであるかという正解もまたありません。
しかし、注意してほしいことはあります。
不登校の生徒に対して、精神論はなんの意味も持たないということです。それどころか、逆効果になることはしばしばです。
別に彼らは怠けたくて学校にいかないのではないのです。自分でもどうして登校できないのかわからないことがほとんどです。
そんな彼らを叱咤激励したところで、登校できるはずもないし、励ませば励ますほどに、自分はなんてダメな人間だと思い知らされることになります。
「お前はほかの生徒がしているようにどうしてできないんだ」などと、教師には絶対にいってほしくない言葉です。
たしかにふつうに登校していないのは事実かもしれません。ほかの一般的な生徒と横並びではできません。
しかし、だからといってけっしてダメ人間ではありません。ただ単に集団行動が苦手で、学校が得意ではないだけです。
私は「たかが学校ではないか」と思います。学校制度ができてたかだか百数十年にすぎません。完璧であるはずもないのです。
教師には、たかが登校できないぐらいで生徒に「ダメ」というレッテルを貼ることはやめてほしいと願います。
不登校の生徒にも良いところ、優れたところはいくらでもあります。では、まったく放任すればよいかというと、無論そうではありません。
緩やかなコンタクトを取り続けてください。
たとえ学校にきていなくても、クラスの一員であることを伝えてほしいと思います。学校へきていないのだから放任されても仕方がないという態度は控えるべきです。
自宅訪問しても、会いたくないと生徒がいっているときに無理強いしてはいけません。
そのときは親と会ってください。
それもむずかしければ、電話で「あなたを忘れていない」ということを伝えることも大切です。
登校できるようになったときの居場所の確保も重要です。
相談室登校、保健室登校も大切ですが、誰かひとりだけで対応するのはむずかしいことです。
担任教師、スクールカウンセラー、養護教員など、できるだけ複数の連携は必要だし、できれば学校全体で不登校の人のフォローの体制ができるとよいと思います。
担任教師がひとりでかかえ込むことは、もっともいけないことです。
それは結局、不登校の生徒を追い込むことになるし、一方で担任教師自身の孤立化を招き、教師のストレスを増大させることにもなるのです。
教師が悩んだら、すぐに相談できる体制づくりが望まれるのです。
不登校が長期化してくると、一種の断都状態が必然的に生じてきます。この膠着状態に陥ると、生徒の変化に気付きにくくなってきます。
さらに長引いてくると、教師自身がなにをしてよいのかわからなくなってしまうこともあります。
このようなときには、メンタルクリニックのような専門機問に相談することもひとつの方法です。
これは、教師の不安感や焦燥感を和らげる効果もあると思います。
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