思春期の心のトラブル
中学生の両親からの相談で、もっとも多いのは「不登校」だそうです。
その中でもとくに理由が思い当たらない不登校が多く、いじめ、非行などの比較的原因がはっきりしたものは少ないのが特徴です。
中学生の不登校を考えるときに、もっとも危供するのは統合失調症のはじまりかもしれないということです。
統合失調症の好発時期は、高校生のころが多いのですが、中学生のときに発病することもしばしばあります。
中学生から発病する兢合失調症は予後がよくありません。だからこそ早期に発見して、早期に治療することが必要なのです。
統合失調症の予兆としては、自分の意思とは関係なく、さまざまな観念、イメージ、過去の記憶があふれ出てきたり、物音や目に入るものに敏感に反応したり、身体の違和感を覚えたり、なんだかまわりから見られているように感じたり、どうしてかわからないけど、なにか差しったような気になったりすることです。
これらがきわめて目立つ症状であれば、家族や周囲も「なにか変だ」と思うのですが、あまり目立たない場合は、不登校だけが問題になり、病気が見逃されることがあります。
子どもが不登校になったときは、両親や周囲にいる人は、「学校へ登校できない」という現象面を見るだけでなく、統合失調症のはじまりについても念頭に置かねばなりません。
高校生の相談も、不登校が最多で、統合失調症もしばしばみられるようになります。
このころは中学生と比べて、幻覚、妄想、興奮、昏迷などの症状が目立ちはじめます。
また、あまり知られていないのですが、思春期のころは、不登校以外にも社会不安障害が起こりやすい時期でもあります。
人から注目されるのが怖い、初対面の人と話したり人前で話すのが苦手、人前で食事ができない、偉い人の相手をするのが苦手、人前で字が書けないなどが社会不安障害の症状ですが、
これらは「内気」とか、「恥ずかしがりや」といった性格の問題として片付けられてしまうことがほとんどです。
しかし実は社会不安障害という病気であることが多いのです。社会不安障害であれば治療する価値がある、つまり治療効果が認められるのです。
摂食障害もこの時期によく認められるようになります。
以前からよく知られたことですが、この病気は男性よりも女性に好発します。
摂食障害には拒食と過食があります。
ひと昔前は、摂食障害といえば拒食症でしたが、最近は拒食と過食を交互に繰り返したり、過食だけみられたり、拒食より過食のほうがむしろ多い傾向が認められます。
比較的経過が良好な摂食障害でも、10年以上も治療を継続するケースはしばしばみられますので、早期の治療が優先されることはいうまでもありません。
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